サンスクリットの文字と発音
このページでは、サンスクリットの文字と発音についてまとめていきます。文字と発音に関しては誰が書いてもさして変わらないんですけどね。
文字について
まず、サンスクリットには固有の文字がありません。現代においてサンスクリットを書くときには基本的にラテン文字もしくはデーヴァナーガリーが用いられますが、もともと聖典やマントラなどを通じて音声で受け継がれてきた言語のため、特に文字の縛りはありません。
まあ先述の通り、文字として書く場合はラテン文字もしくはデーヴァナーガリーが使われることが大半ですので、このサイトでもそれに従ってラテン文字で書くことにします。
母音
サンスクリットには、5つの短母音 a, i, u, ṛ, ḷ と、5つの長母音 ā, ī, ū, ṝ, (ḹ)、4つの二重母音 e, o, ai, auがあります。
特徴的かつ注意が必要なのは e, o, ṛ, ṝ, ḷ, ḹ あたりです。
まず、e, o は /eː/, /oː/ のように常に長母音で発音されます。 ちなみにこれは e, o の起源に由来しています。例えば、e, o は元々 ai, au という二重母音ですが、音変化によって e, o へと変化したため、拍の数はそのまま2拍分として数えられ、長母音しか存在せず、また、「二重母音」という扱いになっています。 じゃあ逆に今の二重母音 ai, au はどこから来たのかというと、これは ā + i (a + e もあるけど e は a + i だから aai で āi と同じ), ā + u から来ています。
次に ṛ, ṝ, ḷ について。どっからどう見ても子音ですが、サンスクリットでは母音として扱います。音韻論的に言うと「成節子音」ってやつです。 ṛ は日本語の「リ」みたいな感じで /ɾi/、ṝ は日本語の「リー」みたいな感じで /ɾiː/、ḷ は普通に /li/ のように発音されるのが標準的です。 「サンスクリット」もラテン文字で表記すると saṃskṛta(ṃ については子音編で解説しますがとりあえず「ン」です)ですし。
そして ḹ はサンスクリットの単語にはほとんど登場しません。文法体系としてまとめられたとき、ḷ に対する数合わせとして作られただけのやつです。かわいそう。
子音
サンスクリットには33個 + α の子音があります。日本語が13 ~ 16個くらい、英語が24個ですから、かなり多いほうです(本当に多いのは100個くらいあるけどそれは置いとくとして)。
以下はその一覧です。
| 無気音 | 有気音 | |||
|---|---|---|---|---|
| 無声音 | 有声音 | 無声音 | 有声音 | |
| 喉音 | ka | ga | kha | gha |